秋の紅葉を空から。京都でヘリコプター空撮をしてきました


京都、紅葉の季節。

私の高揚とは裏腹に今年の京都は少し紅葉が早く、私が来たときにはもう枯れ気味の場所もある始末。でもそれは下からの話。ただの下界の話にしか過ぎないのだ。というわけで今回はヘリコプターを一機貸し切って京都を上から空撮してきました

大量の写真と共にどこの会社のプランを選んだのかや、どのルートでどうやって撮影する方がいいのかなど全て書いていければと思う

京都、空撮。

まずはじめに今回私はSNS上で懇意にしていただいているMizuki Tanaka(@tm_9729)パイセンとWACOH(@wacoh_)パイセンと私を含めた3人で匠航空様の70分空撮プランを選択した

値段的には税込みで192500円程と最大3名までなので一人あたりでも6万ちょいと清水の舞台から安全マットを敷いて飛び降りる程度の気持ちにはなってくる。だがこの値段を空撮を終えた今の気持ちで考えると…最高だ、6万を払う価値は十分にあると私は思います

話を戻し、空撮だが決めた時間の一時間前にはJPDヘリポートへ向かい打ち合わせをする(空撮プランだけかも)70分という枠組みの中で自分の考えたルートを打ち合わせしてルートを決めていく

大小様々な神社仏閣を抜けて最初の目的地へ向けて進んでいく

今回私達が作ったルートは右回りのプランだ
平等院→萬福寺→伏見桃山城→伏見稲荷→東福寺→清水寺→八坂の塔→祇園周辺→知恩院→平安神宮→南禅寺→金戒光明寺/真如寺→大徳寺→大文字→金閣寺→龍安寺→仁和寺→妙心寺→大覚寺→天龍寺→嵐山/渡月橋→保津川→東寺→京都タワー→東本願寺/西本願寺
といったルートできっちり70分丁度だった

勿論これは少し多めで、修理箇所などはササッと終えるなど重要度を決めての時間なので撮影中もしっかり自分で指示を出さなければいけない。比叡山や神護寺の方まで飛ぶと時間も飛ぶので取捨選択をよく考えてプランを組む必要がある

というわけで最初は平等院から。上から見ると意外と小さいなと感じる。実際言われないと平等院だと気付かないくらいかもしれない

遊覧と違って空撮はドアを取り外して完全フリーの状態での撮影になる。特に秋での撮影となると撮影グローブなどの防寒対策は必須だ。そして問題の席についてだが前1後ろ左右2という構成になるため基本的には左側からの撮影が優先されるような形になる。なので席の撮影しやすさ的には助手席>後ろ左>>>>>>>>>後ろ右といった感じになるので注意だ

大伽藍萬福寺はやはり上から見ても大迫力だ。この瓦の美しさのためだけでも上から撮る価値がある

そしてしばらく飛ばしていると現れるのが伏見桃山城。実際テーマパークの復元城址なので浪漫のない言い方をするとハリボテなのだがこの瞬間だけはどのお城よりもお城だった

あの名高い伏見稲荷大社も上から見ると形無し。千本稲荷なんて一本見えるかも怪しいのでここはやはり下から行かなくてはと

ちなみに撮影設定だが秋の昼間でもシャッタースピードは最低でも1/500秒は何がなんでも必要。1/750あれば基本的にブレることは少ないが1/1000あればとりあえずは大丈夫だろう。SDは2枚差してバックアップ設定、連射設定にするなど諸々の設定も事前にしていると安心だ

秋の名所と言えばここ東福寺。あまり良い光ではなかったので撮るのには苦労したが黄色と赤のコントラストが最高に美しい。空撮するのであればここはマストだ

もはやこのために飛んだと言っても過言ではない。京都随一の名所、清水寺。

紅葉にあまり恵まれなかった私に差し込んだ唯一の光。ここ清水だけは紅葉がベストタイミングで綺麗な光も差し込んでいてこれ以上ない景色だった。最高だ、愛してる

普段バカほど撮っている八坂の塔をさらに上から。下から見るとあれだけ迫力のある八坂の塔だが上から見ると何だか模型のような感じで借りてきた猫状態だ

撮っている最中は気付かなかったのだが今回私が陥った間違いは横写真を多めに撮ってしまうということだった。横だとのっぺりした印象になることも少なくないので積極的に縦を使っていきたい。事前に頭に入れておかないと撮影中は興奮して忘れてしまう

平安神宮の大鳥居を収めることができて私は大興奮

興奮といえば興奮しすぎて操縦士さんに的確な指示ができなかったことが中々悔やまれる。おそらくいつものことなのだろうが事前にしっかりと考えておくとスムーズな撮影になって私も操縦士さんもニッコリだ

最近修理が完了した知恩院も流石の迫力。京都に来るたびにその威風を味わうために訪れてしまうのだがまさか上からそのお姿を見る日が来ようとは。こうしてみると意外にも紅葉している場所もわかる

余談だが今回私が使用した機材はNikon Z5 + Z24-200mmという組み合わせ。ボディを2つ用意できたら単焦点も使いたかったが1本だけで挑むのであればズームレンズは必須だ。そして使用画角も大体標準域から少し望遠ぐらいまでで使うのが殆ど。私は興奮しすぎて少し望遠を使いすぎた感がある

そして次の行く場所によってはこれぐらいの急旋回をすることもあるので中々スリリング。しかもドアはついてないしで中は阿鼻叫喚だ

水門は見れないけれど南禅寺。ここらへんは本当に自然豊かで上から見るとあれこんなに緑あったっけと思うくらい生い茂っている。見ればわかる通りかなりの場所で紅葉は終わりを迎えている感はあるが上からなら問題ない。なんて素晴らしいんだ

あと金戒光明寺と真如寺は渋くてマストだよねと私の要望。大伽藍とまではいかないけど下から渋い寺は上から見ても渋かった

遠くに京都御所が見えます。もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんがヘリはどの神社仏閣でも直上はタブーでその中でも上鴨/下鴨神社、京都御所などは近くに寄ることが更に難しくなっています。不敬罪で市中引き回し打ち首になる前に撤収しましょう

大伽藍シリーズはまだまだ続く。今回どうしても収めておきたかったのが大徳寺

今年の秋より10年にも渡る大修理がされるそうで上からの影響はわからなかったが今後の悔いがないように今回は歯を食いしばって撮影した。深い緑の中に映える赤が雅だねぇと感傷に浸れる

この堂々たる大が見えますか?あまりの迫力に私にはもはや燃えてすら見えたような気がしましたがおそらく気のせいでしょう。燃えてるところ見たこと一度もないですから

今回わかってはいたが一番涙をのんだのがこの金閣寺。光と紅葉具合がベストバランスでこれ以上ないくらいのコンディションだったが肝心の金色のやつが平安貴族状態。籠の中に隠れて顔を見る事すら叶わないこの歯がゆさになんで秋が終わってから修理しないんだと心の中のクレーマーが叫んでいた

今回清水と並んで紅葉していたのが龍安寺。美しい枯山水庭園で有名なお寺だがこんなに美しい紅葉があったのかと隠せない興奮

そして飛ぶ前はそんなに期待していなかった仁和寺も最高の写真が撮れた。伽藍も密集していなく寂しい感じがある仁和寺だが見るべきは側面ではなく正面

最高でございます。もう何も言うことはない

大伽藍シリーズの最終系、妙心寺。ここは下から見ても最高の伽藍なのだが上から見ても私のナンバーワンはこいつだった。こんなに伽藍があるのに一部にしかいけてないんだなと自分の地位の低さに涙が出る。高度は高いんですけどね

原風景広がる広沢池へ。この周辺だけ急に田んぼが広がるからもうそのコントラストが最高という他ない

そんで近くには大沢池と大覚寺。大沢池の反射がなんとも綺麗で上からの特権だなと。ちなみに大覚寺には行った事があるので上からでもルートがわかる

そこまでメジャーというわけではないですが清凉寺って私好きなんですよね。やはり伽藍の渋さは上からでも伝わる。御朱印を書いてた坊さんは不愛想だったけどそれも渋いという言葉で片づけておきましょうか

はい来ました、嵐山渡月橋です。どうやら昼間の時間帯では嵐山が影になるようで結構陰影がきつくなってしまいました。それでもなお照らし出される渡月橋は美しく本当の嵐山を見たければまた乗りにこいと、そういうことなんでしょうね

嵐山といえば天龍寺。そこそこ高額な天龍寺庭園ですがヘリならお値段コミコミです。なんかもうこの周辺緑と赤のコントラストが美しすぎて何も言えないんですよね。もう取れたてのイチゴを見ている気分

そして匠航空の社長さんに教えてもらった保津川を見る。光は厳しかったけど美しくて、下から保津川下りしてみたくなってきましたね。新緑の季節にまた来ようか

一通り飛んだのであとはヘリポート方面、京都駅付近へ。エンドロールにしてクライマックス

どうですこの東寺の五重塔。八坂の塔で感じたのっぺり具合はここにはありません

最後を飾るのは本願寺と私たちの京都タワー。上空300m以上、範囲1km離れなければいけないんですがかなり近く感じるので心配は無用。京都タワーからの眺めは素晴らしかったけどそれじゃあ意味ないですよね。京都タワー映らないんですもの

そして帰路へ。いやぁもう興奮しっぱなしの70分でした。私は三半規管が経験上強いようで何ともなかったのですが人によっては酔う方もいるようなのでそういう時は写欲で誤魔化してください

7万近くかけて飛ぶ意味はあるのかと何度も自問自答しましたが間違いなくあります。もし少しでも興味があるのであれば迷わずカメラを持って乗り込むべきです。秋の京都にはそれだけの価値がある。そうしてより京都が好きになるかもしれません、愛を持って撮れば

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