X-T系最高傑作。富士フイルム“X-T5”+“XF30mm F2.8”レビュー


カメラは1台あればいいかななんて過ごしていました。でもそれだけじゃダメみたいですね

GFX50S2を使っている私に足らないものは数々あってそろそろ我慢もできなくなってきたのでこの度X-T5を購入することとなりました。X-T1,X-T2と使っていき、その後少しNikonを挟んでからのGFXだったのでXマウントに触れるのは久しぶり。あっ嘘X-E4の時期も少しありましたけどX-T系は本当に久しぶり

T1から使ってきた身からするとここまで進化したのかと驚くことは多いです。今回はなぜT5を買ったのかということや合わせて購入したXF30mm F2.8という等倍マクロレンズなどについても少し語っていければと思います。そんなこんなでまずは個人的に印象的に感じた性能のみを抜粋しました

SPEC

有効画素数 約4,020万画素
プロセッサー X-Processor 5
手ぶれ補正 センサーシフト方式5軸補正、7.0段
低輝度性能 コントラスト: -4.0EV
位相差: -7.0EV
フィルムシミュレーション ノスタルジックネガ
デジタルテレコン 2.0x / 1.4x / OFF
EVF 0.5型:約369万ドット
液晶 3.0型3方向チルト式、3:2、約184万ドット
動画撮影 最大6.2K30fps、4KH60fps(log2)
サイズ 129.5 × 91 × 63.8mm
重量 557 g

高画素化とデジタルテレコン

高画素化は新製品につきものですのでX-T5も同様に3000万台を飛び越えて4000万画素になりました。正直なところ、そこまで大きな違いは感じませんでしたし普段GFXをスチルのメインで使っている私にとってはその画質に感動は全くしませんでした

ただし高画素化によりデジタルテレコンが搭載され、装着しているレンズの1.4倍・2倍の倍率で撮影が可能です。使ってみての感想ですがテレコンで撮影しても綺麗に撮影でき、RAWとしても撮影可能ですが実際にテレコンが反映されるのはJPEGのみであり、2倍にして撮ったとしてもRAWは1倍の範囲で映ります。じゃあトリミングすればいいだけじゃんという話になりますのでこれはあまり嬉しい機能ではないかもしれません

コンパクト化しつつ手振れ補正

T5になり、T4よりも高性能な手振れ補正が搭載されたのにも関わらずサイズ感がX-T1の頃と同レベルにまで仕上がっているのに驚きました。T1からT2に乗り換えた当時はわずかな違いではあれど少し大きくなってしまったT2に失望感が大きかったのを憶えていますがT5になりまさかの原点回帰です

ただし私の気のせいかわかりませんがT1に比べて樹脂がちゃちくて安っぽい雰囲気がするのは気のせいでしょうか。間違いなくボタンの押しやすさなどは良くなっていることは間違いないのですが

動画性能の向上とノスタルジックネガ

私が一番気になっていたのが動画性能についてでした。6K30P撮影に対応して手振れ補正も使えるなど様々良い点はありますが個人的にはF-log2の搭載と外部デバイスを使えばBlackmagic RAWなどにも対応可能という点が購入を決定づけました

確かにお金はかかりますがプロの現場にも使用可能という点は安心を与えてくれるのではないかと思います

Reason

そもそもなぜX-T5とXF30mmを購入することになったのか。他にも色々なカメラやGFXがあるにも関わらず。そんな部分についての理由を自分の使い方や希望から書いていくことにします。

動画用途でX-T5

X-T5はスチル回帰の写真機だと言われていますが私は動画用途でX-T5を購入しました。それならX-H2などがあるじゃないかという話になるとも思うので最初に結論を書いておくと

・買うならX-H2じゃないか → 8K動画は使わないしダイアルがあるデザインが好み
・動画機ならバリアングルだろう → 自撮りはしないし結局外部ディスプレイでいい
・T5以外にももっと安い動画機はある → F-log2とRAWが必要だった

これらが主な理由になります。H2では8K動画が撮れますが普通にそんなPC環境も必要なオーバースペックのものは使いませんし私はとにかくアナログで操作できる軍幹部のダイアルが好きでした。そして動画ならバリアングルという認識があると思いますが私は自撮りはしませんしYoutubeなどで撮影する際は結局小さくてよくわからないモニターより外部出力のディスプレイを使えばいい話なのでスチル撮影時の軽さ・快適さが勝るチルト液晶を選択しました

そして何より大きい理由がF-log2とRAWの搭載です。私が持っているGFX50S2でも動画は撮れますが4K未搭載でF-log1なので後でいじろうと思ってもシャドウも全く上がらない、いじれないといった動画になってしまっていましたのでF-log2になって大きくいじることができるのが必要でした。また、外部デバイスを使えばRAWにも対応しているので更に幅は広がっています。これらのことからX-T5が選ばれたというわけですね

マクロレンズが欲しい

T5に決まったのならばあとはレンズの選択ですが欲しかったのはマクロレンズ一択でした。理由は様々あり、今使っているGFXは近寄れないレンズが多くて不便さを感じていたことと植物趣味という影響から近接で撮れるものが欲しかったなどなどあります

特に動画においては近寄れるっていうことは撮影の幅そのものでありスチルよりも動画の影響を考えてXF30mm F2.8となりました。正直Xマウントはこれ一本でもいいかななんてことも思ってはいますがもしT5での撮影も増えるとなればレンズを増やすことも少し考えていかなければならないかもしれません

面白味を考える

X-T5は今まで使ってきた機種の中で最も癖が少なくて使いやすいカメラだと感じています。だからこそ感じるのが面白味のなさです。横暴にして強欲な話にはなるのですが何かしらのカメラとしての面白味が欲しいと思ってしまうのがサブカメラとして使っている私の感想になります

それで考えるのであればやはりSIGMA fp Lといったスチルも撮れる、コンパクト、RAWがSSDのみで完結などなど非常に魅力的に思えてしまうのも確かです。現に、AFなどの性能などがなければ乗り換えも検討するレベルではありますがここは求めるものによって大きく変わる部分もありますので今後判断していかなければならないところかと思います

そういった無難に高性能なカメラだからこそ普段とは違うちょっと変わった写真を撮ろうという気持ちでこのカメラを使っているところがあったりします

X-T5 / XF30mm F2.8

それでは実際に外観を見ていくことにします。グリップは浅く、ペンタ部も低くなっている印象。でもこの完成されたデザインは大好きです

XF30mmとの組み合わせがこちらになります。T5については特に言うことはないですがXF30mmについて少し言及しますと、コンパクトではあるもののやっぱりデザインがダサいですよね。以前まで所持していたXF50mm F2と同じ印象を受けます。付属のフードも結構長くてマクロレンズの性質上、被写体まで数センチに迫るのにフードが長いのは流石にナンセンスだと思いました

やっぱり肩液晶なんてものよりアナログダイアルですよ。今ではダイアルが搭載されている機種の方が少なくなっているのではという現状ですがGFXシリーズも同じようにしてもらいたい

正面部分ですが3方向チルト液晶と十字パッド。GFXは十字パッドをなくしているので使いにくいこと使いにくいこと。特に操作性の邪魔にはならないし配置できる設定も多いのであるに越したことはない

久しぶりにAPS-Cに戻って思ったことは「あれ、こんなに小さくて軽かったっけ?」ということ。GFXに慣れ過ぎていてこんな感覚久しぶりでしたがやはり機動性が全く違う。ストリートの撮影にはやはりX-T系が一番馴染む

自分史上一番嫌な比較写真になります。GFXのレンズ、GF80mm F1.7との比較になりますが横幅以外は全てgf80mmの圧勝になります。T5にXF30mmつけたとしてもGF80mmの方が重いですしね。だけども撮れる写真は雲泥の差がありますのでそこは機動性とのトレードオフになります。それほどGFXの写真とはレベルの差があります

Example

これらの写真は一部を除き、ノスタルジックネガ×XF30mmでお送りします

XF30mmの描写は優秀という以上のものはないように思えます。少し辛口になりますが舌を巻くレベルではないということですが一定以上は出してくれるみたいなレンズです

マクロの撮影についてですが左の写真でも一般的なレンズであればかなり寄れるほうでしょう。しかしXF30mmは更に近づいて右の写真のレベルまで寄ることができます。ここまでする写真あるか?と言われるとそんなあるわけではないのですが近寄れるっていうことは正義です

勿論軽いしコンパクトだしそんなにボケもしないので街でふらっと撮るのにも良い感じです。距離の制限がないというところも魅力的だけど自分がピントを合わせたくない近い場所にAFが合ってしまったりするのが逆に被害

下の二枚はXF18mmF1.4 R LM WRで撮った写真。流石の描写力なのでそこに惹かれてしまいましたがX-T5の高画素を活かすことができるレンズというものは確かに存在します。好みのレンズがあるのかもしれないですけどこのレンズは必須かも

とはいえ植物にここまで近づけるレンズはこれだけ。趣味によってはマクロの重要性も変わってきます

ボケすぎないというのも好きな点かも。背景も込で考えることができるレンズというものを今まで選択してこなかったので少し幅が広がるかも

表現が変わる、X-T5で。

動画を始めたい人、ストリートを撮りたい人、ただ欲しい人…様々理由はあるとは思いますがX-T5の包容力は凄く、あなたの要求を聖母のように飲み込んでくれることでしょう。ボディがここまで優れているのだからあとはレンズの選択によって大きく表現が分かれるところとなります。ここばかりはその人の好みになりますので是非とも考えてみて下さい。X-T5は受け止めてくれる、それほどの性能があるカメラだと思います

私は動画と植物のためにXF30mmを選びました。あなたはどうします?

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