スペインには数多くの白い街があり、できることなら全部行きたかった
そんな時間も猶予もない私はどこか一つにしなければならなかった。悩みに悩んだが何かの経緯で知ったのがアルコス・デ・ラ・フロンテーラという街だった。正直白い街の中では知名度は高くなく、観光客もあまりいない場所だったがそういうところこそ私が好きなのだ
イタリアの白い街で満たされていたがおかわり、いただきます
白い日常へ
この街へはセビージャからバスに揺られてやってきたようなないような。見事に記憶がごっそり抜けている
白い街、静かな時間。明るい色に目が奪われてしまうほど視界には白しか映らなかった。観光地感がないのでその分だけ現地の生活感が色濃く感じられる
日差しの熱いスペインで白という色は熱を籠らせず涼しくしてくれている。カフェで一服しながら贅沢な時間を過ごすのもありだ
この道の先に何があるのか。光の中をただ歩き続けるのは大変なこと以上に気持ちがいい
もしかしたら日頃そこで本を読んでいる人がいるのかもしれない。いやもしかしたら猫の日向ぼっこ用なのかも?
でも良い街は遠景で見ると更に良い。白と交じり合う岩肌。街ができる前の姿を思い浮かべると何か楽しくなってくる
二人、一人。白いキャンパスの中を通り過ぎていく幻想的にも思える光景。力量が足らなくて撮り切れない
色のある街も好きだけどないのも魅力的とは色って不思議だな。ごちゃごちゃしたものを求めるのに時にはこんなシンプルなものを欲しくなるんだから写真撮りというものは勝手だ。でもそんな身勝手なまま何でも撮ってみせると残り少ないスペインの街へと向かった