写真を生活の中に。高級コンパクトカメラFUJIFILM “X100VI” レビュー


どうしてこうなってしまったんだろう。そんな評判のカメラで名高いカメラ、X100VI。

とても良いカメラなのに謎の需要のせいで転売が相次ぐという今まででは考えもできなかったブームが巻き起こり、予約すらできないという事態になっているカメラです。私も今までX100F、X100Vと購入してきていたので買おうとしていたのですが予約すらできずにもうどうでも良いやとなって買うことを諦めていたのですが運よくよく手にする事ができました。ちなみに僕はX100Vを知人に中古10万ほどで譲ったバカ人間です

どうして諦めたのにまた買おうと思ったのか、このカメラの良さは、悪さは。歴代のシリーズを使ってきた人間として率直に使った感想など書いていければと思います

SPEC

スペックは以下の通りです。気になる点は後述します

有効画素数 約4020万画素
プロセッサー X-Processor 5
手ぶれ補正 センサーシフト方式5軸補正、6.0段
AF インテリジェントハイブリッドAF (TTLコントラストAF / 位相差AF)
レンズ
焦点距離 : f=23mm(35mm判換算:約35mm相当)
開放F値 : F2.0
レンズ構成 : 6群8枚(非球面2枚)
NDフィルター : あり(4段分)
デジタルテレコンバーター 70mm*
50mm*
35mm*(通常)
ファインダー
OVF 電子式ブライトフレームファインダー(逆ガリレオ式)
撮影範囲フレーム視野率 : 約95%
ファインダー倍率 : 約0.52倍
EVF 0.5型有機ELファインダー 約369万ドット
視野率 : 約100%
アイポイント : 約16.8mm
視度調整範囲 : -4~+2m-1
ファインダー倍率 : 0.66倍
対角視野 : 約32° (水平視野:約27°)
アイセンサー付き
液晶 3.0型チルト式タッチパネルTFT、3:2、約162万ドット
動画撮影 6.2K30fps , log2
サイズ 128 × 74.8 × 55.3mm
重量 521 g

FUJIFILM X100VI

まずは見た目の紹介からしていきます。こちらがX100VIになります。X100Vからの変化はあまりありませんが全面の切り替えダイアルの赤点が消えたのでよりブラックな印象が高まっています

軍幹部も歴代シリーズに比べて丸みを帯びているデザインで個人的には好きです。ただ、個人的な意見としてグリップを無くしたらもっとデザイン良くなるのになぁ…と思ってしまう。グリップ力は確かに高まるけど欲しい人は別にグリップつけるしなと思わなくもない

レンズはX100Vから変わらず続投。Fの頃とは違って開放から締まった写りをしてくれるので自分好み。よくGRとかと比較されるけど開放F2から使えるのが何よりも大きい

これについても後述しますがこのボタン配置が許せない…

X100シリーズのみんなあんまり使わないけどあると嬉しいファイブリットビューファインダー。ワンクリックでOVFとEVFを切り替えられます。まぁ大体はEVFなんですけどね

手に乗るサイズ…そしてポケットにも入る…冬服ならね。夏物にはどうしても入らないのでそこがGRとの違いだと思います。でもやっぱりEVFがないとテンションが高まらないので

GFX100Siiと比較するとその大きさがわかりますね。いや逆に100sii小さくない?と思ってしまうかも

ACCESSARY

以前まではPENTAXのフジツボフードを使用していたのですが今回からNiSiのフィルターを使用することにしました。おそらく効果的には変わらないですし純正レベルで馴染むのでおすすめです。確かNEEWERかどっかからもっと安くて似たタイプが出ていましたがなんとなくこっちの方が品質高そうな感じがしたので

X100Fの最終ドレスアップ。フジツボフード「MH-RE49」を装着

装着前と装着後ですが多少厚みが出ますが保護の観点で考えたら許容できるレベルかなと思います。流石に保護なしで使うのは怖いので参考にしてください

そしてX100VI用に購入したストラップはYOSEMITE CAMERA STRAP TOTEM MAD BLACKです。クリックリリースができるトーテムがついているストラップで気分によってハンドルタイプにも変更可能なので見た目と共に気に入って使っています

レリーズボタンにはSQUAREHOODのものを購入。本当は欲しい候補があったのですがそちらが今欠品だということでこちらにしております。でも使っていて感じるのがこれ絶対無くすよなって事ですね。本物のカメラマンというのは写真が上手いということではなくレリーズボタンをボタンをボタンを無くさない人の事を言うのかもしれません

持ち運びの際に使用しているのがペリカン1050。ストラップをハンドル状態に切り替えればピッタリ収納する事ができます。抜き身で鞄に突っ込むのは流石に怖いので安心安全のペリカンですね

Good & Weak

ここではX100VIを選ぶに至った理由、良かったこと、逆に微妙だったことについて書いてきます

Good

EVFがあってノスタルジックネガが使える

このカメラを買うにあたって一番最初に考えたことがメインカメラであるGFX100Siiと同じ環境にしたい、ということでした。最近だとノスタルジックネガを多く使うようになったのでそれを考えると富士フイルムの最新機種しかないとなり、以前Sigma fpを使用していた時はEVFがなくてどうにもテンションが上がらなかったためX100VIとなりました

E4はどうなのかとたまに聞かれるのですが以前E4+XF27mmを使用していた事があったのですがやっぱり解像感もボケも微妙で手放した経緯があるので買い戻しはしませんでした


クロップしても綺麗な写り

標準だと23mmになるので長い焦点距離で使いたい時は多くなるのですがこのカメラにはデジタルクロップがついているので綺麗に引き伸ばす事ができます。以前までのクロップは画素数の問題もあ理、のっぺりしていたのですが4020万画素の恩恵もあり75mm付近にしても写真は綺麗です

ただ、RAWで撮ると取り込んだ時に23mm時の状態で保存されるので意味がない時が多いです…要改善ですね


AFポイントの移動が早くなった?

私の気のせいかもしれませんがジョイスティックによるAFポイントの移動が早くなったような気がしています。GFXとかだと中々移動せずにヤキモキすることもあるのですがX100VIだと比較的スイスイいき感触がします


写真体験としてのX100VI

撮れ高も大事ですが撮影している時のテンションも大事です。コンパクトだしEVFもあるしクロップもあるしデザインもいいし…と持ち出したくなるカメラ、撮影がしたくなるカメラというのがスマートフォンにはないカメラとしての魅力だと思っているのでそれを全て満たしてくれているのがこのカメラなんだと思います


デザインの良さと所有欲

このカメラ人気に火がついた理由の最たるところですがデザインの良さと所有欲を満たしてくれるところにあります。クラシックデザインのカメラというものは数えられるほどしかなくそれで写りと利便性と…となると選ばれるのは必須。少しずつデザインも進化しているカメラなので今後どのようなデザインになるのか期待できます


Weak

同時使用時のボタン配置

X100VIしか普段使わないのであれば問題にならないのですが富士フィルムの他のカメラも同時に使用しているとなると話が変わってきます。かなりストレスがかかるところになるのですがGFX100Siiと比べてbackボタンとplayボタンの位置が真逆なので間違えて押してしまいます

世代がかなり離れたカメラならわかるのですがお互い最新機種で発売日も大きく離れていないのにこの設計だと開発は何を考えているのだろう?と思わずにはいられないです


樹脂部分の安っぽさ

かなりの金額がするにも関わらず樹脂部分が昔と変わらずカッチカチで安っぽいのが受け付けないです。ボディの薄さを考えると難しいところもあるのかもしれませんがもう少し樹脂に手が沈み込むような手触りのものに変えられないものでしょうか?

安いカメラならともかく高級感を売りにしてブランディングしたいならこういうところは手を抜くべきではないですね


値段の高さと手に入りにくさ

28万円として売り出されているこのカメラ。転売だともっと値段はするのですが定価の時点ですでに高いです。カメラ自体の高騰や円安の影響もあるのはわかりますし、とてもいいカメラですがどれだけ高くても25万、個人的には22,3万くらいが妥当だなと思ってしまいました

そしてこれだけの金額を出そうにも欲しい時に手に入らない在庫流通量なのはいただけない。これがライカの目指したブランディングというやつですかね


グリップと手ぶれ補正のプルプル

個人的な要望にはなりますがデザインを追い求めるのであればグリップは要らないかなとも思いました。しっかり握りたい人はつければいいし手ぶれ補正もあるし小さいのでそこまでグリップは必要ない気がします

あと電源オフ時の手ぶれ補正のプルプル動くのはなんとなく怖いです。他のカメラでもこんなには動かないので故障かなと疑っちゃいました。まぁ色々言いましたが概ねいいカメラです


SAMPLE

どんな写真が撮れるのか参考程度に見ていただければと思います

オールインワンを、良いデザインに。

GFXを使っているのでやはりGFXが好きだと叫んでしまうのですがカメラを一つだけ持つのであれば、と問われればこのX100VIが持つデザイン、写り、オールマイティさを考えると悩んでしまうことは間違い無いです

不名誉な言われ方もしたこのX100VIですがメインカメラとしてもサブカメラとしても素晴らしいカメラなのは疑う余地はありません。GRとの比較でも問われることは多いですが中を見てみると全く違う性質を持つ両者なのでX100はX100、と言うのが結論でしょう

F、Vと続きようやくVI。これ以上の進化はあるのでしょうか。いやでもこのカメラなら長く付き合っていけそうだ

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