これ以上は望めない。FUJIFILM “GFX100SⅡ”レビュー


GFX50Siiの購入から2年が経過し中判に対する理解と愛情が深まると共に、受け入れられないことも増えていきました

取り回し、AF、動画。GFX50Siiは特にAFにおける問題が大きく、プライペートで使うこと以上に仕事で撮影していて写真を掴みきれていないことが多く乗り換えを検討していました。そんな最中、100Sの後継機が発表されることとなりこの度GFX100Siiを購入することとなりました

ここでは個人的に感じた点を主にGFX50Siiユーザーからの視点としてファーストインプレッションを書き連ねていこうと思います

SPEC

GFX100Siiのスペックで気になる点を切り出しました。良かった点、悪かった点は後述します

有効画素数 約1億200万画素
プロセッサー X-Processor 5
手ぶれ補正 センサーシフト方式5軸補正、8.0段
AF インテリジェントハイブリッドAF (TTLコントラストAF / 位相差AF)
フィルムシミュレーション REALA ACE
記録メディア SDカード、SSD
EVF 0.5型有機ELファインダー
約576万ドット
液晶 3.2型3方向チルト式TFT、4:3、約236万ドット
動画撮影 4K30fps 4:2:2 10bit(log2),AppleProRes(SSD)
サイズ 150 × 104.2 × 87.2mm
重量 883 g

FUJIFILM “GFX100Sii”

GFX100Siiの見た目は今までのシリーズと大きな違いはなく、表面に日本古来から続く毘沙門柄を採用した「BISHAMON-TEX」が見た目の上で一番大きな違いになっております。それ以外の大きな変更はないです

軍幹部は今までと同じように肩液晶が搭載されていて好みは分かれてくるところ。私は肩液晶不要派なのでダイアルにして欲しいですが今回の肩液晶は今までと少し違い、カメラ情報だけではなくヒストグラムの表示が可能になっているということです

正直使い所はあまりないのでだからなんなんだという話にもなりそうですが少しでもかっこいい見た目で行きたいという要望には応えられるのではないかと思います

50Siiとの比較になりますがほとんど見た目、重量的にも変わりはないのでそのままの同じ運用が可能です。ある意味楽とも言えますしある意味面白みがないとも言えます

Good / Bad

Good

AFの速度と正確性が向上

とにかく一番の特徴はこれです。とてつもなくAFのスピードと正確性が向上して今まで遅いと感じていたGF80mmなども完全に別物となり、快適さが段違いになりました。50SiiがコントラストAFしかなかったというのも理由としては大きいですがそれを考慮しても新プロセッサーによる恩恵が大きいのだと思います

同様にGF55mmなどでもAFの向上が期待できると思いますのでAFに不満がある方は検討してみるのも良いかもしれません


4K撮影とF-log2

動画性能が向上して4K30pでの撮影とF-log2が収録可能になりました。それに加えてSSDを挿入することによりApple ProResの内部収録が可能と、動画性能も向上しております。勿論、向上したと言っても4K30pまでですしそれ以上の動画性能が欲しい方にとっては物足りないかとは思いますのでスチールがメインで少し動画を撮りたい方にとってはとっては丁度良いことでしょう


常用感度ISO80

常用感度でISO80が搭載されたことにより、より綺麗に写真を撮影することが可能になりました。拡張感度としてもISO40がありますし写真が綺麗になること以上に、光が強い環境下でNDフィルターなどを使わずとも開放で撮ることができるのが大きなメリットになっています


BISHAMON-TEX

カメラの樹脂に毘沙門柄をした「BISHAMON-TEX」採用により傷への耐性とグリップ力の向上を手に入れました。見た目的にも高級感と今までの機種との違いが目に見えてわかるのが大きな恩恵ではないかと思います


シャッターフィーリングが気持ちよく

言葉で伝えにくいものにはなりますがシャッターフィーリングがより心地良くなっています。今までの50Siiのシャッターはどこかベチャッとしたというかシャッキリしたシャッターではなかったので撮影時の感覚としてあまり良いものではなかったのですが100Siiでは軽快でシャキッとしたしっかりと心地よいシャッターフィーリングになりましたので日々の撮影が気持ちの良いものへと昇華されています


EVFの向上でより鮮明に

0.5型576万ドット有機ELファインダーの視認性は凄く、ファインダーを除いた時に広がる世界は今までのものより優雅で壮大なものになっています。綺麗で見やすいだけではなくMFなどの時においてもピントの山が掴みやすいので撮影自体そのものを便利で快適なものにしていますのでこれだけでも買いです


肩モニターに表示できるもの

見た目のところでも記述しましたが肩液晶にヒストグラムなどを表示できるようになりました。そもそも使わないしいらないといった層にはこういった少しの変化でも嬉しいものです。ただ、ヒストグラムになるとその分だけバッテリー消費は激しそうなのかなという印象も否めないです


Bad

触り心地が良くない

BISHAMON-TEXを採用したことによって恩恵は受けているものの以前の樹脂に比べて少し触り心地が良くないというか触っていたいようなものではないというのが私が個人的に感じたことでした。今までの樹脂のような触り心地のままグリップ力を向上することを期待します


シャッターのタイムラグ?

GFX50Siiでは常となっていたシャッターを押して撮影するまでにタイムラグがあり想像した絵よりも遅れた絵が撮れてしまうという問題がありましたが100Siiにおいてもかなり改善されましたが稀に遅れることがあり、まだまだなところがあるように感じました

また、私だけかもしれませんが電子シャッター使用時のシャッターを切ってからのタイムラグがかなりあるように思えます。ひどい場合は切ってから1秒後に撮影レベルもあるので今はメカシャッターのみで運用していますがファームアップなどで改善されることを期待します


CFexpress非搭載

CFexpressが採用されておらず未だにSDカードのダブルスロットになっています。私も買うまではSDカードでも不満はなかったのですが実際使ってみるとやはりデータ量は大きく、1枚のRAWで100MBを超えるのでよりスピードの速いSDカードが求められますので圧倒的に速度が速く、堅牢性も高いCFexpressが搭載されていれば良かったなと思いました

今まではV90クラスのSDカードを使用しておりましたがスチール、動画共にV60クラスがあれば十分速度的には十分でしたのでSDカードを購入する際は256GB以上のV60クラスカードをおすすめします


EVFの青被り

EVFの特に影の部分になりますが実際の撮れた写真よりかなり青みかがっているように見えます。これは撮影している上で実際と違うように見えるのは良くないですし撮影体験的にも心地の良いものではないのでもう少し実際の写りに近づけてもらいたいなと思う部分になっています


デザインが変わらない

少しだけ思うこととしては今までずっとデザインがほとんど変わらないまま来ているのでもう少し変化があると嬉しいかなと思うところでした。正直デザイン的にはGFX100iiのデザインがかなり良かったので今後に期待します


Example

簡単にテストシューティングをしてきましたので参考程度に見ていただけたら思います。やはり一億画素から出されるその絵には立体感以上に生っぽい空気感が内包されているように見えます

驚くべきはそのトリミング耐性。下の写真のようにこれだけ切り抜いても写真として破綻なく使用できるのが恐ろしいところです。中判はどうしても望遠側となるとレンズが大きく高くなってしまいますのでこうして気軽に切り抜けるのは中判の懐故かなと思います

中判でここまでできるなんて

スチールも動画もありのまま。それもこんなAFが中判デジタルでできるなんて。今までは何だったのだろうと思うほどの快適さを手に入れました

見た目は同じでも中身はまさに別物。高性能なだけありSDカードやら現像するPCやら整えなければならないものは数多くありますがそれさえ揃えて仕舞えばあとはあるがまま中判の恩恵を手に入れられます

あとはもうカメラの代金について考えるだけ。写真を次のステップへ、勇気を踏み出して進んでみませんか

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