東京の海、父島の海。ひとりの小笠原諸島


毎年恒例となっていた友人との離島旅。今年は友人が子供ができたということで私はひとりで旅立つこととなりました。まぁ実際には仕事の出張で行っているので当たり前ですが

今年の離島はなんと小笠原諸島、父島。普通に自分で行くのであれば下手な海外に行くよりお金がかかる場所ですが会社のお金で行けるのであれば喜んで行きますとも、勿論。でもね、想像と現実って違うこともあるよなってそんな旅のそんな記録。


いざ、父島へ。

父島へ行くには船で24時間の航海を経てたどり着く形になりますので非常にタイタニック気分を味わうことができます。東京の芝浦から出港するので出だしは伊豆大島行くのと変わらないムードですが24時間はやっぱり長いのは否めません

今回行きの部屋はなんとデラックスルーム。地上にいる時よりもいい部屋を支給されて私のボルテージは最高潮に。まさかここがこの旅の最高潮でもあったなんて夢にも思いませんでした

外洋に出てしまうと電波も繋がらないのでやることと言ったら外見るか食堂で飯を食うか寝るか、これだけに尽きます。でも酔いに弱い人には食べ過ぎ注意。僕は大丈夫でしたが結構揺れで吐いてる人がいたので心配な人は酔い止め薬のんで乗り込みましょう

星を見たり、夕陽を見たり、海を眺めたり。なんだか船の旅が楽しくて船旅に一気に興味が湧いちゃいました。24時間を経て、さぁ到着です

父島はかなり小さな島で車であれば1時間かからずに周れてしまうような規模感です。雰囲気も沖縄のような独自の雰囲気はなく離島という雰囲気、それしかないです。ある意味さっぱりしてるとも感じますし刺さる人には刺さるのかもしれません

あと父島は輸送費の関係で物価が滅茶苦茶高いです。なんかヴェネツィアみたいな物価してんなと思いつつ島の人たちはどうやって生きていっているのか気になって仕方ありません

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実は小笠原諸島には国産のコーヒーがあり、希少性も高く値段も高いのですがこちらのUSKコーヒーで飲むことができます。お店の雰囲気もとても良く、ああ父島を楽しんでるなぁ…というのをしみじみと感じることができる良い体験です

他にもベーカリーがあったりだとかなんだか洋風文化というかローカルな楽しみができるのも父島の魅力かなと。海を見ながら食べるパンは最高です

父島の照りつける太陽は流石離島と言ったところで、2時間も海で泳げば翌日には赤い肌はあなたのものになります。海も綺麗ですが場所によって全然綺麗さが変わりますのでおすすめはコぺぺ海岸。高低差があるので徒歩では少ししんどいですが足があればコペっていくのが一番父島を楽しめます

正直日帰りでも見て回れる…けども帰ることはできません。到着後4日ほど停泊した後に帰りの便があるのでそれまでどこかしらに滞在していないといけません。仕事は1日しかなかった私は幸運にもこの街を彷徨うことになります。同じ街の同じ街で違う風景を何度も見て。生活するように旅をしたのはいつぶりでしょうか

夕日が水平線に消える瞬間緑に光るそうです。みんなそれを目当てにひとりひとり違う人たちが同じ方向を見ています。写真やっててよかったな、そんなこと思った日

(適当に星撮影。下手になってた)

帰りの日。僕は知らなかったのですが数多くの人たちが見送りに来て太鼓の音やらなんやらこだましていました。船から花束を海に投げる人、お世話になった人の名前を叫ぶ人、ソマリア沖の海賊みたいに並走する船。なんともエモーショナルな風景です。一方の私はといえば特にイベントなど参加したわけでもないので「ぼくの夏休み」で何もイベントをせずにゲームを終えてしまったような感じで登場人物たちを誰これ?って一歩引いて見ている気分です

いい出張でした、いい船旅でした、いい経験でした。でもホテルの部屋が部屋に風呂なしトイレない同居人ヤモリ先輩がいるというのがやばすぎて何ともいえない気持ちが交錯する父島出張でした

また来ることはあるだろうか。そんなことを考えながら二等客船で身売りされた子供のように天井を眺めながら物思いに耽る外洋の上

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