使い始めてから変わらない安心感と様変わりする楽しみ方という両面を提供してくれるGFXというカメラ。そんなお気に入りのカメラにお気に入りじゃないポイントがあるとすればレンズの高額さ
純正レンズとしてはGF35-70mmとGF80mm F1.7の二つを使っていますがもっと欲しい気持ちがあるのも確か。そしてお金がないというのも確か…ではどうする、答えはオールドレンズ。
私の理由はお金という部分が大きいですけど他にも理由があって独特な描写や焦点距離が楽しめるという部分も大きいですし純正に飽きた人に一風変わった趣を提供してくれるのが魅力です。オールドレンズといっても様々なマウントがありますが私が選択したのはミノルタのRokkorとニコンのNikkorでした
今回はそんなGFXとオールドレンズ遊びについて話していくことにしましょう
中判のイメージサークル
まず前提として今回撮影したオールドレンズ達は元々中判カメラ用に作られてはいません。じゃあケラれちゃうんじゃないのって話なんですけど35mm判よりも大きなイメージサークルをカバーしているレンズも数多くあり今回紹介しているRokkorなんかはまさにそれです
Nikon Fマウントなんかはイメージサークルがきつくてカツカツなんてイメージがありましたけど意外となんとかなってるので周辺減光はあれど使えるレンズが多い印象です
で、他にもPENTAXだとかSekkorだとか良いレンズが沢山ある中でどうしてRokkorとNikkor選んだのかと言いますと値段の安さです、はい。オールドレンズといえどやっぱり人気のものとか数が少ないものだとかで値段が全然違うので滅茶苦茶高いレンズとかもあるんですよ。確かにそれ相応の値段を出してレンズを買う人もいますけど私はMFしか撮れない昔のレンズに大金はたく人間ではないので基本的に数千円、いっても一万以内で買えるレンズとなるとこの選択になったわけです。だから皆さんにもおすすめしやすい、そういうことです
6 OLD LENS
今回ご紹介するのはRokkorのレンズ5本とNikkorレンズ1本になります。使うマウントアダプターはK&Fのものを両マウント使っています。どちらも大体8000円くらいでレンズ本体より断然高いんですけどまぁ仕方ないです
問題はレンズのコンディションがどの程度なのかということ。古いレンズなのでできるだけ綺麗なものを選ぶのは大前提ですが正直なところカビなどはそこまで問題ではなく曇りが一番の敵だなっていう風には感じました。オールドレンズそのものがフワッとした写りのものが多いので、それに曇りがあるともうホワホワです。分解洗浄もできなくはないとは思いますがネジも回らんってなってることもありめんどくさいのでとりあえず良いの買いましょう
MINOLTA MC ROKKOR-PF 58mm F1.4
まずはじめにご紹介するのがROKKOR-PF 58mm F1.4。コンパクトで明るいレンズという良いところを抑えながら2000円くらいで買えるというとりあえず持っておけみたいなレンズ
GFXで使用すると35mm換算で46mmで使いやすい焦点距離です。類似のもので言うと58mm F1.2のものと55mm F1.7があります。この後55mm F1.7についてはご紹介します
質感が高い金属の塊。緑色のコーティングが光る、GFXとのバランスも良い1本ですね。見た目の割に重さはあるのでそこは注意です
58mmの描写は解放付近だとこのような感じです。中心のピントにはめっきり解像しているけれど周りがホワホワ浮いているような描写なので独特な空気感が生まれます。そのあやふやな描写がロマンチックだったりリッチだったりするのかもしれませんがそれは良い光の条件下においての話ですので悪い光の下では話にならないのも事実です
似ている55mm f1.7を使うとそっちも好きだし58mmも好きだしで非常に迷うところで多分どっちも必要だって判断する人が多いのではないでしょうか。どっちも持ってりゃいいんですよ安いんだから
感覚がわかってくると暗い場所や動く被写体にも結構合わせられるようになるけどそれはピーキングの色付け設定で撮ってるからであって撮影時の気持ちよさを優先してピーキングなしで撮るとジャスピンは難しいかもしれません
確かに多少の不満は出てくるかもしれませんが私はどうしようもなくこのレンズが好きです
MINOLTA MC ROKKOR-PF 55mm F1.7
58mmの類似のレンズではありましたが購入したのがMC ROKKOR-PF 55mm F1.7。普段であれば似たレンズあるしってことで購入しないものですがこのレンズは解放からシャープに使えるということである意味オールド感が少なく使えるという魅力を感じて購入することに
58mmよりもコンパクトではありますが金属が詰まっているようなドッシリ感はちゃんとあります。個人的には好きなサイズ感ですので58mmとサイズ比較してみましたが55mmのほうがコンパクトですね
撮った感想としては確かに開放時はF1.4よりかはシャープな印象はありますがオールドレンズからは抜け切れていない感じはしました。周辺減光もありますので2.8-4くらいの感覚で使うと素直な印象ではありますが開放も開放で面白いので場合によって使い分けるのが良さそうです
個人的にはf2.8で使うのがどうしようもなく好みで、最近は55mmにf2.8で撮影ばかりするようになっています。純正のGF50mmが手元にないことも影響しているかもしれません。非常に素直で現代的、かつコンパクトで満足感も高いというレンズなので今のところ一番お気に入りのレンズです
ただし、あまり寄れないレンズなので苦労することもあるのは確か。そういう時は58mm F1.4みたいな感じで使い分けることも多いですがPCに取り込んでみると55mmが一番好きだったりする
よい光を拾えばこれ以上ない映りをしてくれるレンズなのでとりあえず光を拾う、これが大切
MINOLTA MC ROKKOR 28mm F2.8
次に紹介するのが28mm F2.8。基本的にこういう広角域のものはケラれる可能性が高いのであまり手を出さないのですがどうやらケラレずに使用できるし少しトリミングすれば完璧と書いてあったので安いしとりあえず買うかってなったので私のもとへ
他のRokkorレンズと同じようにコンパクトながらも金属感のあるボディ。個人的にこっちも悪くないのですがミノルタにはMC,MDと二つの種類がありまして機能や時期が違うのですが下の写真のものが28mm F2.8のMD版になります。描写に大きな違いはないですが外装が金属ではないことや多少コンパクトかつ軽いなどなど利点もあったりするのでここは好みで選んでいただけたらと
かなり小さくて軽いのでとりあえず持っていけるレンズ。特にGFXにおいては広角域が弱いのでフルサイズ換算21mmという広さは50mm域より重要性は高いですね。値段も3000円いかないので安い
デザインでいうならば28mmの表記と色が可愛くていいですね
28mmという広角でケラレないのは流石の一言。勿論周辺減光はあるし描写に目ぼしいものはあまりない…と思いきや確かに遠景で使う場合は普通なんですけど近接で使う場合かなり解像するなぁと思うことが多かったので手前に何かモノがあるような配置で使うと活きるレンズなのかもしれません
GFXユーザーで広角を少し使ってみたいのであればとりあえず持っておけとおススメできる一本です
MINOLTA W.ROKKOR-SG 28mm F3.5
それと合わせて一応紹介しておくのが28mm F3.5。1970年代のちょっと古いレンズですが一応書いておくとF2.8より実直な映りをしますのでこっちのほうが好きって人もいるんじゃないかと思います
見た目もマッチしていてコンパクトなので使い勝手はいいのですがF2.8より多少暗いことと、四隅を普通にケラレます。周辺減光なら使ってもいいかなーと思っていましたがトリミングしなければならないので広角の利点もなくなりますし後処理がめんどくさいのでGFXで広角を使うのであればF2.8一択かなと思います。とりあえず28mm F2.8 MCと比較してみましたが見た目が一緒すぎて違いがわからない
28mm MC,MD、そして28mm F3.5のサイズ感はこちらになります。こうしてみるとコンパクトさを求めてMDを買うのも良いかもしれません
使ってみて思うのが使えなくはないけど祖父の形見とかの理由じゃない限りはF2.8よりこちらを使う理由は見当たらない、というのが素直な感想になります
作例を見てもらえればわかるように四隅が完全にケラれます。四隅に何かのモノがあるような撮り方をすればそこまで気にならなくはなるもののそんなシチュエーションなど限られているので大人しくF2.8を買いましょう。あっF2.8と同様に近接の描写力は良いです確かに
MINOLTA ROKKOR 50mm F3.5 MACRO
Rokkor待望のマクロレンズ、Rokkor 50mm F3.5 Macro。自分に足らなかった要素は広角とマクロだったのでこいつは必要でした。ちなみにレンズ本体だけだとハーフマクロ、エクなんとかリングをつけると等倍マクロとなるので普段はハーフ、寄りたい時だけつけるみたいな感じで機動性も両方確保できるのが最高に便利でした。ただし等倍時は近く以外はピント合わないので注意
文字がゴチャゴチャしてるなんてデザインに関しては不満も言ってるいる人はいるみたいですが私は大好きです、このデザイン。
写りに関していうのであれば本当に優秀。何が優秀かって言われると今まで試してきたレンズの中でダントツで現代的です。少し補足をすると滅茶苦茶写りが良いって意味の現代的ではなくオールドレンズ的なホワホワした描写がないのでただその場を映し出すという意味では手持ちのものでこれ以上のレンズはない気がしてる
ただし四隅は多少影響があるのでそこは注意。でもこの現代的な写りは明るいレンズたちには絶対出せないと思う…ハーフサイズなら小さいし寄れるし必須の一本なのは間違いないと思う
NIKON Ai AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D
1本だけ別マウントになります。選んだのはNikonのMicro-Nikkor 60mm f/2.8。GFXにおいて私が弱いところで言うと広角とマクロなのでこいつより適格いないだろ…ってことで買いましたけどニコンのマクロでいうとAi Micro-Nikkor 55mm f/2.8Sもあるので別に60mmじゃなくてもいいです。昔Nikon Z使ってた影響でこいつが部屋の隅っこで転がってたのでとりあえず使ってみることに
黒い金属のデザインがGFXとよく馴染む。本体側にモーターがあるカメラであればAFが使えますがGFXではとりあえず忘れてください。実際周辺減光はありますが多少絞ればそれも解消されるので普段使いというよりかは家での物撮りなど趣味用途としての使い道が広いです
撮影してみてRokkorとの違いで感じたのがRokkorよりも素直映りをするなとも一瞬思いましたが普通にRokkor 50mm Macroの方が魅力的でした
室内の物撮りだけではなく外でも使える…が別にRokkorの50mm台レンズでいいしという感想も否めない。ケラれないし描写性能もいいので欠かせない存在ではあるのだが…まだわからないところだ
一癖も二癖もあるレンズたちですが自分の好みをその中で見つけるのが一番良いかもしれません。私は55mm F1.7が好きです、それが私の今の答え。
中判で、遊ぶ。
純正レンズも楽しいけれど古いレンズでこれだけ遊べるなんてなんて贅沢なんでしょうね、しかも安く。f値が明るいレンズでも小さくコンパクトに運用していけるので機動性も確保。独特な描写を中判というセンサーを通すとまた違って見えてくるものがあります
中判カメラ自体が高額ではありますがそれ以上の楽しみを求めるのであれば自ずと道は見えてくるかもしれませんね。しかも紹介したレンズはまだほんの一握り。ワクワクしてきますね